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8.

人がこちらを見て話してくるときは、曖昧な笑みを浮かべ目では無く頬の辺りを見るようにしていた。
目を見て話すと底を見透かされそうで、顔を背けても逃げたと思われそうで。
小さい自分を隠し、肥えに肥えた虚栄ばかりの自尊心を守ることに必死だった。

意味や理由を求めずに、ただ生きていくことが正しいのだとして、そんなの果てしなくて途方に暮れてしまう。
自分の中でこれだけは自分だと思える部分を手放してまで、そうまでして生きなければならないのかと怖ろしくなる。
それでも生きるべきだと、どうにか折り合いをつけるべきだと、私もみんなも知っているから悩むのだろう。

みんなの根っこの方にあるとりあえず生の方へと向かう気持ちは、いつどこで手に入れられるものなのだろうか。
弱い私はすぐに逃げたくなるし、逃げる自分を認めたくないから死にたくなる。
自分の中にある苦しさや恐怖は自身にしか関係が無くて、それを一人で抱えなくてはならないこと、みんながそれを受け容れて生きていることが信じられない。
どうやったらそんな風に出来るの。私はずっとこうしてきたし、他のやり方があるなんて知らなかったよ。


感情は燃え尽きたのか、川底を転がって形を変え続けているのか、いずれにせよ最後には海に溶けてしまえばいいなと思う。
限りなく薄まってくれれば、いくらかは穢さも救われるのではないだろうか。

いつかみんなに謝りたい。